大学進学に向けて大きなカギを握るのが「志望理由書」です。
子どもが自分の言葉で進学への想いを綴るこの書類には、保護者の意見や支援も大きく関わってきます。
本記事では、親としてどのように関与すべきか、注意点やアドバイス、そして具体的な例文まで、わかりやすく解説します。
親が知っておきたい大学志望理由書とは?
大学志望理由書の目的と重要性
志望理由書とは、大学に提出する書類の一つで、志望動機・学びたいこと・将来の目標などを記すものです。
学力試験では見えない、本人の考え方や熱意を評価するための重要な資料です。
大学入試における志望理由書の役割
総合型選抜(旧AO入試)や学校推薦型選抜において、志望理由書は合否を左右するほど大きなウェイトを占めます。
成績だけでなく、「なぜこの大学を選んだのか」「どのように学びたいのか」を明確に伝えることで、大学とのマッチングが評価されます。
保護者の意見が与える影響
保護者の意見は、子どもの進路決定に大きな影響を与えます。
ただし、志望理由書に親の意見をそのまま反映させるのはNG。
あくまで「本人の言葉」として書く必要があります。
とはいえ、将来設計を一緒に考える中で、子どもが自分の考えを深めるためのヒントや視点を提供するのは非常に有益です。
大学志望理由書の書き方
基本的な構成と流れ
志望理由書の構成は大きく分けて以下の通りです。
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きっかけ(興味を持った理由)
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学びたい内容(具体的な学部・学科とその魅力)
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将来の目標
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大学でどのように学びたいか
これらを一貫性のある流れでまとめましょう。
具体的な内容の盛り込み方
「幼少期の体験」「学校での活動」「読んだ本」「ボランティア経験」など、リアルなエピソードを入れることで、説得力が増します。
また、大学の特色や教授の研究内容に触れることで、リサーチ力もアピールできます。
表現力を高めるためのテクニック
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抽象的な表現を避け、具体的に
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「思います」「したいです」ではなく、「目指します」「挑戦します」など意志を明確に
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接続詞を使って論理的な構成に(例:「そのため」「なぜなら」など)
誤字脱字を避けるチェックポイント
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パソコンで下書きし、音読して確認
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信頼できる大人に読んでもらい客観的にチェック
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同じ語尾の繰り返しを避ける(例:「〜したい」「〜したい」)
自己分析の重要性と方法
自分が何に興味があり、どんな将来を目指したいのかを明確にするためには自己分析が必要です。
以下の質問を使って深掘りしてみましょう:
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どんな時に夢中になったか?
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その経験から何を学んだか?
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将来、どんな人になりたいか?
保護者の意向の書き方と注意点
進路希望調査と保護者の意見
学校では進路希望調査で「保護者の意向」を記入する場面があります。
ここでは、「子どもの意思を尊重している」「家庭でどのような話し合いをしたか」など、親の立場からの支援姿勢を示すことが大切です。
高校受験における保護者の役割
高校受験とは違い、大学進学では自立が求められます。
過干渉にならないよう注意しつつ、情報収集や相談相手として支えるスタンスが求められます。
保護者が協力するためのステップ
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進学先の情報を一緒に調べる
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模擬面接や志望理由書の添削をサポート
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プレッシャーを与えすぎず、子どもの気持ちに寄り添う
具体例:大学志望理由書の成功事例
成功した志望理由書の例文
私が〇〇大学〇〇学部を志望した理由は、心理学を通じて人の心に寄り添える仕事がしたいと考えたからです。中学生の時に不登校だった友人を支えたいという気持ちから、心のケアの重要性を感じました。(中略)貴学の〇〇教授の研究テーマに強く共感しており、実践的な学びを深めたいと考えています。
希望学部選定の背景
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家族の介護経験から医療系学部へ
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調査活動を通じて環境問題に関心を持ち、理学部へ
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海外ボランティアで言語の壁を感じ、外国語学部へ
アピールポイントを活かした表現
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「継続力」「観察力」「チームでの協働」「問題解決力」など、自分の強みを具体例とともに提示する
保護者が知っておくべき面接対策
面接の質問と回答例
質問例:「なぜこの大学を選びましたか?」
回答例:「研究内容と将来の夢が合致していたからです。特に〇〇の研究に関心があり、自分の課題解決に繋がると考えました。」
保護者のサポートの在り方
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練習の相手になる
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過去の失敗談や成功体験を共有する
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緊張を和らげる声かけを意識する(例:「笑顔で答えれば大丈夫」)
まとめ:大学志望理由書作成のポイント
保護者が意識すべき事項
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「自分の意見を押し付けない」
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「子どもが納得できる進路を尊重する」
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「本人の意志を応援するスタンスを貫く」
今後の進路選択に役立つアドバイス
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高校1年生からオープンキャンパスや職業体験に積極的に参加
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保護者も大学の特色を学ぶ
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「なんとなく志望」を防ぐために、早めに将来像を話し合う
諦めずにサポートする姿勢の重要性
進路は一度きりの決断ではなく、長い人生の一歩です。
保護者のサポートがあれば、子どもは安心して挑戦できます。
焦らず、信じて、伴走していきましょう。
親の関わり方次第で、子どもの未来が変わることもあります。
志望理由書は単なる書類ではなく、「人生の目標を描く宣言文」。
親子で一緒に考え抜き、後悔のない進路選びにつなげましょう。