子どもが歯磨きを嫌がって、毎日の仕上げ磨きが大変に感じることはありませんか。
口を開けてくれない、逃げる、泣いてしまうなど、歯磨きの時間が親子ともに負担になることもありますよね。
子どもが歯磨きを嫌がる理由は、歯ブラシの感触が苦手、口の中を触られるのが不快、眠い時間帯で機嫌が悪い、何をされるのか分からず不安になるなど、さまざまです。
大切なのは、無理に「歯磨きを好きにさせる」ことではなく、子どもが少しでも安心して取り組める工夫を増やしていくことです。
この記事では、主に1歳半〜4歳ごろの子どもを想定して、歯磨きを嫌がる理由と、歯ブラシ選び・歯磨き粉・手鏡・歌・絵本などを使って歯磨きの時間を少しラクにする工夫を紹介します。家庭で続けやすい虫歯予防のポイントもあわせてまとめます。
子どもが歯磨きを嫌がる理由
子どもが歯磨きを嫌がるのは、わがままや甘えだけが理由ではありません。
歯ブラシが口の中に入る感覚が苦手だったり、仕上げ磨きで体を押さえられるのが嫌だったり、眠い時間帯で機嫌が悪かったりと、子どもなりに嫌がる理由があることも多いです。
特に小さい子どもにとって、口の中はとても敏感な場所です。
大人にとっては短い歯磨き時間でも、子どもにとっては「何をされるのか分からない」「口の中を触られて気持ち悪い」「早く終わってほしい」と感じている場合があります。
また、歯ブラシの毛先が硬い、歯磨き粉の味が苦手、磨く時の力が強いなど、道具ややり方が合っていないことで歯磨きが嫌になっていることもあります。
まずは「どうして嫌がるのかな?」と理由を探しながら、子どもが少しでも安心できる方法を試していくことが大切です。
子どもが歯磨きを嫌がる時にまず見直したいこと
子どもが歯磨きを嫌がる時は、「どうやって楽しくするか」を考える前に、まず道具やタイミング、磨き方が合っているかを見直してみましょう。
歯磨きそのものが苦手なのではなく、歯ブラシの感触や歯磨き粉の味、磨かれる時の姿勢などが嫌で抵抗している場合もあります。
歯ブラシの硬さやサイズ
子ども用の歯ブラシでも、毛先の硬さやヘッドの大きさによっては、口の中に当たった時に不快に感じることがあります。
特に口が小さい子や、口の中の感覚に敏感な子は、歯ブラシが少し大きいだけでも嫌がることがあります。
年齢に合ったサイズを選び、毛先はやわらかめのものから試してみると安心です。
仕上げ磨き用と子どもが自分で持つ歯ブラシを分けると、磨きやすさも変わります。
歯磨き粉の味や量
歯磨き粉の味や香りが苦手で、歯磨きを嫌がる子もいます。
大人には甘く感じる子ども用歯磨き粉でも、子どもによっては「からい」「変な味」と感じることがあります。
嫌がる時は、無理に歯磨き粉を使わず、水だけで磨くところから始めても大丈夫です。
使う場合は、年齢に合ったものを選び、量を出しすぎないようにしましょう。
歯磨きする時間帯
眠い時やお腹が空いている時、遊びに夢中な時は、歯磨きを嫌がりやすくなります。
特に寝る直前は、親も急いでしまいやすく、子どもも疲れていて泣きやすい時間帯です。
毎回うまくいかない場合は、少し早めの時間に歯磨きを始める、寝る準備の流れに組み込むなど、タイミングを変えてみるのも一つの方法です。
声かけや見通しの伝え方
子どもは、何をされるのか分からないと不安になりやすいです。
急に歯ブラシを口に入れるのではなく、「上の歯を磨くよ」「あと10秒で終わりだよ」など、短い言葉で見通しを伝えると安心しやすくなります。
「ちゃんと磨かないとダメ」と言うよりも、「ここだけピカピカにしようね」「終わったら絵本を読もうね」など、子どもが受け取りやすい声かけに変えると、歯磨きの時間が少し落ち着きやすくなります。
子どもの歯磨きを楽しく続ける6つの工夫
歯ブラシや時間帯を見直しても、すぐに歯磨きが好きになるとは限りません。
でも、少しでも「怖くない」「終わりが分かる」「自分で選べる」と感じられるようになると、歯磨きの時間がラクになることがあります。
ここでは、家庭で取り入れやすい6つの工夫を紹介します。
子どもに歯ブラシを選ばせる
歯磨きを嫌がる子には、子ども自身に歯ブラシを選ばせてみるのも一つの方法です。
好きな色やキャラクターの歯ブラシを選ぶことで、「自分の歯ブラシ」という気持ちが出やすくなります。
ただし、見た目だけで選ぶとサイズが合わないこともあるため、年齢に合った子ども用歯ブラシの中から選ばせると安心です。
自分で選んだ歯ブラシなら、最初の一口だけでも口に入れてみようというきっかけになるかもしれません。
手鏡で口の中を見せる
仕上げ磨きを嫌がる子には、手鏡で口の中を見せながら磨く方法もあります。
子どもは、何をされているのか分からないと不安になりやすいです。
「ここにご飯粒があるね」「奥歯をピカピカにするよ」と見せながら伝えると、歯磨きの流れが少し分かりやすくなります。
鏡を見ることで、口を開ける練習にもつながります。
歯磨きの歌やタイマーを使う
歯磨きの時間が長く感じる子には、歌やタイマーを使って終わりを分かりやすくするのもおすすめです。
「この歌が終わったらおしまい」「10数えたら交代ね」と伝えると、子どもが見通しを持ちやすくなります。
ただし、無理に長く磨こうとすると嫌な記憶が残りやすいため、最初は短い時間からでも大丈夫です。
毎日少しずつ慣れていくことを目指しましょう。
絵本や人形で流れを伝える
歯磨きの前に、歯磨きがテーマの絵本を読んだり、人形の歯を磨くまねをしたりするのも効果的です。
子どもにいきなり「磨くよ」と言うよりも、遊びの中で歯磨きの流れを見せることで、心の準備がしやすくなります。
人形に「お口あーんしてね」と声をかけてから、子どもにも同じように声をかけると、歯磨きが少し遊びに近づきます。
歯磨きが苦手な子ほど、事前に流れを見せておくと安心しやすいです。
できたことを短くほめる
歯磨きが最後までできなかった日でも、できたことを短くほめることは大切です。
「口を開けられたね」「前歯だけ磨けたね」「今日は歯ブラシ持てたね」など、小さな行動を言葉にして伝えましょう。
大げさにほめすぎる必要はありません。
子どもが「少しできた」と感じられる声かけを積み重ねることで、次の歯磨きにつながりやすくなります。
仕上げ磨きを短時間で終える
歯磨きを嫌がる子にとって、長い仕上げ磨きは負担になりやすいです。
最初から完璧に磨こうとするよりも、短時間で終える日を作りながら、少しずつ慣れていくことを目指しましょう。
特に眠い時や機嫌が悪い時は、無理に長く続けるより、磨く場所を決めて手早く終える方が親子ともに負担が少なくなります。
「今日は奥歯だけがんばろう」「10秒だけ磨こう」と決めて、できたら終わる経験を作るのも一つの方法です。
虫歯予防のために家庭でできること
子どもが歯磨きを嫌がる時は、毎回完璧に磨こうとすると親子ともに疲れてしまいます。
ただ、虫歯予防は歯磨きだけで決まるものではありません。
食事やおやつの時間、歯磨きの習慣、フッ化物配合歯磨剤の使い方、定期的な歯科相談など、家庭でできることを少しずつ組み合わせていくことが大切です。
食事やおやつの時間を決める
虫歯予防では、甘いものの量だけでなく、食べる回数やタイミングも大切です。
だらだら食べが続くと、口の中が虫歯になりやすい状態になりやすいため、おやつの時間をある程度決めておくと安心です。
毎日きっちり管理しようとすると大変なので、まずは「おやつは時間を決める」「寝る前の甘い飲み物は控える」など、できるところから意識してみましょう。
食後や寝る前の歯磨きを習慣にする
子どもが歯磨きを嫌がる時でも、食後や寝る前の歯磨きを生活の流れに入れておくことは大切です。
特に寝る前は、できる範囲で口の中をきれいにしておきたいタイミングです。
嫌がる日は短時間でもよいので、「寝る前には歯を磨く」という流れを少しずつ作っていきましょう。
毎回完璧に磨けなくても、歯ブラシを持つ、口を開ける、前歯だけ磨くなど、小さな積み重ねが習慣につながります。
フッ化物配合歯磨剤は年齢に合う量を確認する
虫歯予防のために、フッ化物配合歯磨剤を使う家庭も多いでしょう。
ただし、子どもの年齢によって使う量の目安が変わるため、商品表示や歯科での説明を確認しながら使うことが大切です。
歯磨き粉をたくさんつければよいというものではなく、年齢に合った量を守ることが安心につながります。
味が苦手で歯磨きを嫌がる場合は、無理に使わず、水だけで磨くところから始めたり、子どもが受け入れやすい味を探したりしてもよいでしょう。
フッ化物配合歯磨剤については、「取りすぎるとよくないのでは」と不安に感じる方もいるかもしれません。
たしかに、子どもが歯磨き粉を大量に飲み込んだり、年齢に合わない量を使い続けたりすることは避けたいところです。
そのため、フッ化物配合歯磨剤を使う時は、年齢に合った量を守り、子どもが自分でたくさん出してしまわないよう保護者が管理すると安心です。
不安がある場合は、自己判断で使う・使わないを決めるよりも、かかりつけの歯科で子どもの年齢や口の状態に合った使い方を相談してみましょう。
食器や箸の共有が気になる時は家庭でルールを決める
虫歯予防のために、大人が使った箸やスプーンを子どもと共有しないよう気をつけている家庭もあります。
一方で、毎日の生活の中でそこまで厳密に分けていない家庭もあるでしょう。
大切なのは、家庭ごとの考え方を責めることではなく、子どもの口の中を清潔に保つ習慣を続けることです。
食器や箸の共有が気になる場合は、子ども用のスプーンや箸を分ける、同じ箸で取り分けないなど、家庭で無理なく続けられるルールを決めておくと安心です。
乳歯の虫歯も「そのうち抜けるから大丈夫」とは考えない
乳歯はいずれ永久歯に生えかわるため、「少しくらい虫歯になっても大丈夫」と思うことがあるかもしれません。
でも、乳歯の虫歯も放置してよいものではありません。
虫歯が進むと、痛みで食事がしにくくなったり、歯磨きや歯科受診への苦手意識が強くなったりすることがあります。
また、乳歯は永久歯が生える場所の目安にもなるため、虫歯がひどくなったり、早く抜けてしまったりすると、その後の歯並びや噛み合わせに影響する場合もあります。
「まだ乳歯だから」と自己判断で放置せず、気になる黒ずみや穴、痛み、しみる様子がある時は、早めに歯科で相談しましょう。
気になる時は歯科で相談する
家庭でできる工夫をしていても、虫歯が心配な時や、歯磨きを強く嫌がってどうしても磨けない時は、歯科で相談してみましょう。
子どもの口の中の状態や年齢に合わせて、磨き方や歯ブラシ、歯磨き粉の使い方を教えてもらえることがあります。
「こんなことで相談していいのかな」と思う内容でも、早めに聞いておくことで安心につながります。
家庭だけで抱え込まず、必要な時は歯科の力も借りながら、無理なく虫歯予防を続けていきましょう。
歯磨きが苦手な子でも大丈夫|少しずつ慣れることが大切
子どもが歯磨きを嫌がると、「毎日ちゃんと磨けていないけど大丈夫かな」「このままずっと嫌がったらどうしよう」と不安になりますよね。
でも、歯磨きが苦手な子でも、少しずつ慣れていくことはあります。
最初から完璧に磨こうとするよりも、まずは歯ブラシに触れる、口に入れてみる、短い時間だけ仕上げ磨きをするなど、できることを少しずつ増やしていきましょう。
大切なのは、歯磨きの時間を親子で追い詰め合う時間にしないことです。
歯ブラシの硬さや歯磨き粉の味を見直したり、手鏡や歌、絵本を使ったりすることで、子どもが安心しやすくなる場合もあります。
それでも強く嫌がる時や、虫歯が心配な時は、家庭だけで抱え込まず歯科で相談してみましょう。
子どもの年齢や口の中の状態に合わせた磨き方を教えてもらえると、親も少し安心できます。
歯磨きは、毎日の積み重ねです。
うまくいかない日があっても、「今日は口を開けられた」「前歯だけ磨けた」など、小さな一歩を見つけながら続けていけるといいですね。
まとめ
子どもが歯磨きを嫌がる時は、無理に「好きにさせよう」と頑張りすぎなくても大丈夫です。
歯ブラシの硬さやサイズ、歯磨き粉の味、歯磨きをする時間帯、声かけの仕方を見直すだけでも、子どもの負担が少し軽くなることがあります。
また、歯ブラシを自分で選ばせる、手鏡で口の中を見せる、歌やタイマーを使う、絵本や人形で流れを伝えるなど、子どもが安心しやすい工夫を取り入れるのもおすすめです。
虫歯予防のためには、歯磨きだけでなく、食事やおやつの時間を決めること、寝る前の歯磨きを習慣にすること、年齢に合った量のフッ化物配合歯磨剤を使うことも大切です。
乳歯はいずれ生えかわりますが、虫歯を放置してよいわけではありません。
黒ずみや穴、痛み、しみる様子がある時や、歯磨きを強く嫌がって家庭だけでは難しい時は、早めに歯科で相談しましょう。
毎日完璧にできなくても、「今日は口を開けられた」「少しだけ磨けた」という小さな積み重ねが、歯磨きの習慣につながっていきます。
親子で無理なく続けられる方法を探しながら、少しずつ歯磨きの時間をラクにしていけるといいですね。

